「人件費を下げるために、従業員を雇う」そんな事を言ったら、殆どの人が、馬鹿じゃないのと言うかと思います。実際、当時の社長から怒鳴られたのも事実です。しかし、実際に赤字だった工場を改善するために行った方法のひとつです。
人件費は工場で運営する上では絶対的に必要な経費でもあるが、重要なのは売上げとの比率です。一般的には売上げとの比率は3~4割程度のものです。大手では管理が出来ないため割高ですが非正規雇用を使用したりしますが中小企業では派遣社員を雇うよりも直接雇用した方が割安になる傾向があります。
当時、前任者は、工場が赤字だったため、従業員を雇うのであれば、残業させれば良いとの考えでした。残業といっても1~2時間程度では無く、深夜近くまで残業させていました。
残業をさせると言うことは、会社としては、労働基準法で、最低基準額の1.25倍を支払わなければなりません。つまり給与の支払い額が上がってしまう。また深夜勤務(22時~翌朝5時)となると、基準額の50%を支払う必要があります。
もちろん短期での残業などはバッファーとして必要ですが1日の総残業時間が8時間を上回っている、長期的にその状態が続いているまたは、これからもそれが続きそうだと思ったら、従業員を雇う事で時間あたりの人件費比率を下げる事で総人件費を抑える事が出来ます
残業を継続的にさせていると、従業員ひとりひとりの基礎能力が低下してしまいます。
工場だったら、残業は当たり前と思っている経営者は結構いますが、残業を多様させる事は基礎能力が低下してしまいます。特に残業が多い場合、昼間の勤務にも影響があります。
勤務状態が悪いと、生産活動にも影響があります。品質や出来高などにも影響があるのです。
従業員を必要と考えた時に、安易に派遣社員を利用するのは余りオススメいたしません。よく考えれば、判る事ですが、派遣社員は派遣会社に雇われているという事は、実際派遣会社もマージンが発生しているという事を忘れないでください。
もし、社内の従業員へ支払っている額と同等の基準単価であれば、それだけ本人たちが貰っている金額は安価だという事だ。
直接雇う事が出来れば、それだけ安価に雇う事が出来るという事です。
派遣会社と契約をする場合、あなたは、派遣社員の質を選ぶ事は出来ません。つまり実際現場で作業をしてもらっても、適正があるとは限りません。一方で従業員は、雇う時に、ある特定の基準で雇う事が出来ます。つまり適正がある人を雇う事が出来ます。
もちろんただ雇えばいいわけではありません。ある特定の面接やテストを実施する事で、その適正を見極める必要はあります。
派遣社員を使用する事は、かなり割高です。実は、派遣会社との契約は最大3年とされています。もちろん3ヶ月のクーリング期間を挟めば、再度派遣会社と契約をいる事は可能です。
しかし、3年間派遣社員として働いた人は、同じ仕事をさせてはいけないという縛りがあります。
これだと、長年働いて、スキルが上がったとしても、3年以上は、働かす事が出来ません。クーリング期間(約3ヶ月)を超えれば問題無いと思っている人が多いですが、同じ派遣社員を同じ場所で働かせる事が出来ない。
また、福利厚生などは、直接雇い入れた従業員と同等の対応をしなければいけないとあります。つまり派遣社員は派遣会社に支払う以外の費用が発生するという事です。
従業員を雇うという事は、適正のある従業員を雇う事が出来るという事です。工場で現場従業員の最低限の適正は、「マニュアルを読める事」と「緊急事態の対応が出来る事」この2つの条件は最低限必要です。実際現場に働いて貰うと重要な条件だと判るはずです。
「マニュアルが見れる」日本語が判るなら誰でも問題ないんじゃないと言う意見が出るかと思いますが、実は、マニュアルを読めない人が結構います。個人的にはかなり驚きますが、いるのです。そんな人は雇ってはいけません。ようするに作業の教育や指示をしても無視をして指示をしていない作業をやってしまう人がいるという事です。
この適正があるか無いかで、同じ給与であっても、それだけ、仕事が出来ますので、製品あたりのコストは下がります。
工場の従業員は、はっきり言うと、女性の方が良い、数多く雇用して観察した結果、ものづくりをする工場では、やはり女性が良いです。どうしても男性は差別するわけでは無いが、女性の方が摘蕾はある。また、笑ってしまうかも知れないが、ニューハーフやおかまな人も実は適正があり、工場ではウエルカムです。実際そんな人を雇っていました。
現場従業員を派遣社員を利用する会社が結構ありますが、個人的には価格面、スキル、どちらを取ってもメリットは無いかと思います。もちろん従業員を雇ったとしても、本人が長期で働くとは限りませんので、特定のスキルを持っている人を雇い続ける事が、重要なのです。
それが、人件費を減らすためのポイントのひとつなのです。