あなたはWeb集客というマーケティング手法をご存じですか?
簡単な言い方をすると、あなたの会社のホームページを作って集客をする方法です。
しかしここで重要なのは、会社のホームページを作れば集客が出来るという訳ではありません。
この部分を大半の人は勘違いしている人が多い。
よく考えて欲しいのですが、あなたが何か商品やサービスが欲しいと思ってGoogleで検索をした場合こんな内容を検索したりしますか?
株取引をしている人や銀行などは会社の情報として検索をするかもしれませんが、顧客となって商品やサービスをさがしている人は、そんな事を検索する人はまず1人もいません。
ホームページ(Webサイト)は、あくまでもファーストコンタクトの場です。これらの項目は、ほとんど必要無いのです。
例えば、ネットショップなどで、商品を購入した時に、そのショップ名をあなたは覚えていますか?多分99%以上の人は覚えていないでしょう。つまり集客にはこの辺りの項目はほとんど必要無いという事です。
実は自社のホームページを作って、Web集客をするためにはこの事実を判っている必要があります。
特にweb製作会社にまる投げなんて馬鹿な事は絶対にしないでください。
私は、2006年に塗装工場の工場長に就任しました。
この時、設立から6年経過していましたが、1年毎に工場長が様々な理由で交代していたため当時私も、1年程度の任期なんじゃないかと同僚から言われていましたが、結局8年ほどの就任期間でした。
当時は、携帯電話や自動車部品のプラスチックの加飾部品を取り扱っていました。就任前に工場内は、大きな内部のトラブルが発生しており、その影響で顧客にも迷惑をかけた状態でした。
当時私は中国の工場で技術指導をして、そちらがある程度おちついた事で日本に呼び戻されて日本の工場の改善をスタートしました。
そんな工場の改善中で前任の工場長が急死した事で、当時35歳であった私が工場長になったのです。
しかし過去のトラブルの影響で新規の仕事が受注しにくい状況になっていた。これは工場内の改善とともに新規の仕事作りを同時にする必要があったのです。
そんな時に出逢った集客方法がWeb集客でした。
チラシなどのネット印刷は今や誰もが使用しているかと思いますが2006年当時はインターネットを経由して集客する方法は非常にまれでした。
これは当時コンサルタント会社である船井総研が実施していた、無料セミナーがきっかけでしりました。
私が当時セミナーで聞いたのはこんな内容でした。(この辺りは記憶の中なので違っていたかもしれませんが)
チラシなどの印刷物を生業とする印刷企業は家族経営で零細どころか赤字の企業がほとんどで、下請仕事が多い業界です。また印刷業界は全体的に市場が縮小している業界で、新規の案件を受注するのが難しい業界です。
またその一方で印刷機など億単位の投資が必要なためなかなか、償却がすすまない。
通常市場が縮小している中で新規開拓が難しいのは一般的な事実です。
その中で集客に成功したのがweb集客だったのです。
当時その印刷会社が行ったのはweb集客だけでは無く、一般的なFaxDMやダイレクトメールなど様々なメディアを使ってトライアルをしていましたが、効果が大きかったのがこのweb集客だったのです。
web集客で行ったのは、過去にとりあつかった商品、持っている設備、印刷のやり方などを自社のホームページを使ってそれらをすべて公開掲載しました。
こんなんで集客が出来るのかと不思議に思うかもしれないですが、このページを見た人が印刷の依頼をしてきたのです。
また、集客した顧客を逃がさないために、価格も標準価格よりも安価で提供した。実は印刷メーカーは設備は億単位の設備ですが、紙やインクは非常に安価で、機械の稼働率が上がると安価で提供しても十分利益が取れる。そのため価格競争力も出る。
これは市場規模が縮小しても、通用する。
こんな説明であった。
これについて私は非常に興味を持ちました。
当時このコンサルを受けようと考え、セミナーで聞いた内容を自分でシュミレーションをして、船井総研の担当と面談をしました。コンサル費用が400万円と聞いてショックを受けた。
当時混乱中であった工場で出せる金額では無かった。しかし私が、自分でシュミレーションをした内容を話したところ、そこまで判って頂いたのであれば、コンサルの必要はないですよ。と言われた事で背中を押されました。
それを信じて自分でweb集客に挑戦する事にしました。
独自で工場集客用のWebサイトの製作をスタートしました。
このwebサイト製作については自分で作ったシュミレーションをもとに作っていきました。と言っても当時 HTMLも良く判らない。そこで当時Web製作会社に友人が勤めていたので、製作を依頼する事にした。
Web製作会社は最初は案の定会社案内をそのまま、Webサイトに変更するような内容を提案してきたが、集客のためであったので根本から違うと構想について話し合いをした。
今ではちょっと笑い話ですが、当時ホームページを作る時に社長から自分の写真が送られてきて、この写真を使ってくれと言われたが、使わないので写真は必要無いと断りました。その後から作った親会社とのページとのリンクがはれなかったのはそのことを根に持っていたんだろうなと思いました。
工場では、もともと携帯電話、自動車などのプラスチック塗装品などの加飾製品を扱っていたので、過去に扱っていた商品を撮影をして、Webサイトに掲載をしていきました。
また、それらの商品の製造工程や使用している材料の説明などを付け加えた。また今で言うSEO対策のためブログと接続したりしました。(当時WordPressがあれば非常に楽だったと思います。)また、宣伝目的でネットショップとの接続もしました。
当時掲載した商品は、顧客の許諾をとっていないものが多かった(取りようが無かった)ので、商品の一部を撮影したり、色を変えたりしたものを作って撮影したりしました。(当時動画の撮影をしたかったがカメラを持っていなかったので対応が出来なかった。)
また、試作で1個しか作らなかった商品なんかも掲載したので社員からはそんなの出して良いのかとの意見もあったが、私はあえて掲載しました。
このホームページは加飾.comと命名して公開しました。(残念ながら2015年に閉鎖しています)
このwebサイトは、BtoCというよりは、BtoB狙いのコンセプトで設計しており、特に技術や開発そして設計といった担当者が探し当てる事を考えて作成しました。
1ヶ月ほどしてある顧客から自社の商品をホームページに掲載するなとクレームがあった事でその商品を取り下げたが、一方でこのクレームによって私はweb集客に手応えを感じた。
それは、宣伝もしていないのに、自社のページを顧客が見つけたからです。
加飾.COMを運用を初めて半年経過してから最初の問い合わせがありました。
「ホームページを見たんですが」と電話があり、期待していた塗装の案件ではありませんでしたが、webからの最初の仕事が決まりました。
売上げとしては数万円程度の小さい案件ではありましたが、それから問い合わせが定期的に来るようになりました。
1年を経過する頃には週1回程度は必ず問い合わせが来るようになりました。しかも問い合わせが来るのは、こんな商品を作りたい、見積もりをして欲しいといったかなり積極的な案件になります。
対したこと事では無いように感じるかもしれませんが、これがすごく大事なのです。
通常ルート営業をして、引き合い物件が来るのは2~3ヶ月に1回程度、図面が送られて来て、それで見積もりをして一部の案件を受注できるか出来ないかという内容です。
一方でネット経由での案件は1週間に1回程度は、見積もり依頼等があり、案件としては金額は少ないものの、受注確率が高い。
そして一番重要なのは、ネット経由の方がある意味言い値で仕事が決まるため、売上げこそ低いが、利益率は非常に高い傾向があった。もちろん物件にもよるが、ネット経由の物件は、ルート営業と比較すると10~20倍程度の収益力をもっていた。
Webを使用した集客法は、実は私が技術時代に行ってきた事の模倣で、それをwebに展開しただけなのです。
それは、ターゲットを技術、設計、開発といった部門の人をターゲットとした戦略を行ったのです。もともと技術時代は、顧客の技術部門に有効な新技術などを定期的に提供して、何か困った事があったら対応をする等をしていました。
そんな事をつづけていると、新規案件でこんなのがあるんだけど、作れるかな~とか、こんなの作りたいのだけど、何か良い方法がないかな~などと依頼がくるようになり、営業が知らない間に、その案件が決まってしまうという事が結構ありました。
それをwebで展開したかったのです。
これは、Webページの良い処は、手直しが簡単に出来ますし、顧客にダイレクトにPRが出来る点にあります。そして興味を持ってくれた人が、仕事のオファーをくれる事で、成約率が非常に高い、利益率も高いと言うことで、非常に優秀な営業マンとなります。
あなたが工場経営をやっていると、顧客へ訪問をする時間も取れないのではないでしょうか?そんな時に、Webを利用してあなたの技術力・工場の実力をPRする事で、あなたの工場を知って貰う事で、集客力をあげる事は夢ではありません。
是非Web戦略を行ってみましょう。
Webでの集客する時にニッチマーケットを選ぶ必要があります。ニッチは工場に取って必要な事です
ニッチ市場で生き残りをかける工場の経営戦略 販売チャンネルの増やし方