工場で使用している作業マニュアル(手順書)は、見やすい事、判りやすい事が実は重要です。そんな作業マニュアルを利用する事で、人件費を大幅に下げる事が出来ます。
作業マニュアルは、工場や会社によって、言い方は異なるでしょうが、ISO9001では、一般的に”手順書”と呼ばれているものです。手順書は階層ごとにその役割が異なりますが、ここでは、従業員など現場作業者が作業工程毎に利用する作業マニュアルについての事になります。
作業マニュアルが見にくくなる理由、それは、ISO9001の弊害、これは、数十社の監査名目で、訪問したから判る事だが、ISO9001では、必要事項をどんどん詰め込んでいく。
結局 様々な情報を詰め込む事で、字は小さくなり、見る事が困難になる。つまり、誰も見ないマニュアルが完成するのです。
実際”見えない”はかなり致命的です。まあ確かに、ISO9001の条件の中には、”見やすさ”なんて入っていないですから。
製造現場で一番の戦力となっている、”パートのおばちゃんたち”は、影で文句を言っても直接の指摘なんて無い。現場の作業は進んでいるので問題は無いだろうと思い込んでしまう。見て欲しいマニュアルを作ろうなんて、管理者も思っていない。クレジットカード会社の約款なんかも良い例ですね。
“見やすいマニュアル”、”見て貰いたいマニュアル”って何だと思いますか?
僕が見本にしたのは、漫画です。
だって漫画って 誰もが好んで読むでしょ、だから、判りやすい作業マニュアルは漫画を見本にしました。
(まあ好きではありますが、冨樫 義博さんの漫画はちょと字が多いので見本にしちゃダメかな。笑)
内職の仕事を依頼する時に、自分で作業マニュアルを作った事があります。実はこの時に利用したのが6コマ漫画でした。
内職仕事でしたので、素材を渡すだけで、直接指導が出来ないため、マニュアルだけを見て作業をする時に、間違ってもらったら困る、悩んで考えた末に作ったのが、6コマ漫画でした。正直決して、絵の上手い方では無いですが、完成した作業マニュアルは意外と好評でした。
直接指導が出来た人は5人ほどいましたが、説明無しに作った作業マニュアルだけで、テストトライをして貰った処、問題無しでした。そして、その中には、日本語が読めない外国人もいました。つまり外国人もOKだったのです。
これって判りやすいって事になるかと思います。
僕が、工場のマネージメントに入った時に最初に手をつけたのがマニュアルの改訂でした。
当時、工場で使用していた、作業マニュアルは、字の羅列でした。現実として、作業者はそれをほとんど見ていなかった。だからこそ自分が作った漫画でできた、作業マニュアルをもとにして、各現場のマニュアルを改訂するように指導しました。
出来上がったものは、見やすい作業マニュアルとなりました。
こちらの字は12px
こちらの字は14px
こちらの字は16px← こちらが、このページの標準の字の大きさです。
こちらの字は20px←大きい方が見やすいですよね。
さて、どの大きさの字でかけば、判りやすいでしょうか? 答えは、見やすければ大きなフォントを使用して下さい。ただ大きくしすぎると書きたい事がかけない事があります。場合によっては見にくい場合もあります。
それでも、WordやExcelなどのフォントの大きさは標準で、10ポイントです。ですが見やすさから考えると最低でも、オススメは、12ポイント以上です。
最初漫画で現場に対して、提案しましたが、結局デジカメやスマホで作業中の写真を写して、それを作業マニュアルに入れ込むという事を標準としました。
眼で見て判るようなコメントを入れる事が-ポイントです。
作業者に作業のポイントを理解してもらう事が重要です。
作業者からのフィードバックを作業マニュアルに入れ込む
管理者は、仕方ないのかも知れないですが、押しつける形で作業マニュアルを作ってしまう事が多いです。そのため、現場から出るフィードバックを無視してしまう事があります。しかし必ず現場からのフィードバックを受け入れて、その内容を作業マニュアルに取り入れる事が重要です。
特にマニュアルを使っている従業員が、見やすい形にしていく事が必要なのです。
作業マニュアルは、ISO9001などを認証取得をしている会社、工場などでは、紙をファイルで保管をする事が多いですが、クラウドのようなメディアでの保管をオススメいたします。
何故なら、作業マニュアルは、定期的に更新する事で、最新版管理を紙で保管をするのは、かなり困難です。だからクラウドのようなデジタルデーターを利用する事で、現場で利用する場合は、そのデーターをプリントアウトするだけで、最新版の作業マニュアルを利用する事が出来ます。
現場で使う作業マニュアルは、見やすさが絶対に必要な事です。実際 作業に係わる従業員に、必要な情報が正しく伝わる事が大事なのです。
そのため、最初から完璧でなくて良いのです。何回も更新を重ねることで、完成度を高める事が大事なのです。経営者は、作業マニュアルの完成度を高めるための仕組みを作り上げる事が大事なのです。