不眠症は、身近な病気と言われており国民の約20%が悩んでいると言われています。一般的には高齢者に多いのですが、20~30代でも発生する疾患です。

不眠症(insomnia)

不眠症
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不眠症とは

不眠症は、厚生労働省の平成26年度の調査によると日本人の5人に1人が悩んでいる問題とされています。20歳以下では非常にまれですが、20~30代を超えたあたりから不眠症で悩む人が発生して、加齢とともに増加するもので、どちらかというと男性よりも女性に多い病気です。

ただ、眠れないからといって、不眠症と診断されるわけではありませんが、そのまま放置していくと慢性化して不眠症と呼ばれる状態になります。また医療機関では睡眠障害と呼ばれているものです。

不眠症は、「夜寝付きが悪い」、「眠りを維持出来ない」、「朝早く目が覚める」「眠りが浅くて眠った漢字がする」などの症状があるのが一般的です。

それによって日中の眠気、集中力不足、体調不良など心や身体に悪影響を発生させます。

また、類似していますが、不眠症以外の睡眠障害として睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群(レストレスッグス症候群)、概日リズム障害などがあります。

睡眠には2種類の眠りがあります。

睡眠には2つの眠りがあるのをご存じでしょうか?

聞いた事あるかと思いますが、レム睡眠とノンレム睡眠があります。レム睡眠は浅い眠りで脳は起きているが身体は寝ている状態で、夢を見るのはこのレム睡眠の時です。一方でノンレム睡眠は、脳が寝ていて、身体は起きている状態で、専門的に言うとノンレム睡眠もステージ1~4まで4段階あり、ステージ3や4になるほど深い眠りとなり、身体の成長に欠かせないホルモンや免疫力の強化につながります。そのため不眠症は、健康維持に逆行する現象となっています。

不眠症には4つのタイプが存在します。

不眠症には大別すると4つのタイプに分けられます。あなた自身がどの症状にあてはまるか確認をしてみましょう。

入眠障害

布団に入っても、中々寝られない(30分~1時間以上眠るまで時間がかかる)

中途覚醒

いったん眠りについても、翌朝起床するまで、夜中に何回も目覚めてしまう。

早朝覚醒

朝起きたいと思った時間よりも2時間以上も早く目が覚めてしまう。その後は目が覚めてしまって寝られない。

熟睡障害

睡眠時間は長いのですが眠りが浅いため、熟睡した感が無い。夢を多く見る人に多くあります。

不眠症には大きくこの4つに大別されます。

不眠症の原因

不眠症の原因は、非常に多岐にわたっています、環境要因、身体的要因、心的な要因、生活習慣病など様々なところに原因が潜んでいます。まずは自分に当て嵌まる原因を探して取り除く事が不眠症に繋がります。

環境要因

国外旅行などによる時差、枕が変わる、気温湿度などによる寝苦しい、騒音が酷い、寝る環境が明るい暗い

夜勤仕事が多い

シフトの関係で、昼夜逆転した生活をしていたり、毎日が不規則な生活をすると体内時計が狂ってしまう事で、必要な時間寝られない事があります。

寝室の環境

温度や湿度などによって寝苦しかったり、騒音によってうるさかったり、照明が明るかったりするような環境は寝る事に適していません。

身体的要因

身体の不調についても、不眠症に繋がります。

風邪などによる咳や鼻炎

体調不良は、良い睡眠を取りずらい原因になります。咳や鼻炎になどは眠りを浅くする要因となります。また身体の痛みやしびれ。そして身体の痒みなども眠りを浅くする原因となります。

高血圧

高血圧は、交感神経が興奮状態が続いている事で、睡眠が妨げられて不眠症となるケースがあります。

糖尿病

糖尿病は、高血糖に伴う多飲や頻尿、神経障害によるしびれ、痛みが睡眠を邪魔され不眠症につながります。

肥満・メタボリックシンドローム

肥満・メタボリックシンドロールは、交感神経の興奮が出る事で、不眠症などの睡眠障害につながります。肥満などが原因で睡眠時無呼吸症候群も睡眠障害が発生しますがこれは不眠症とは異なるとされています。

性別

男女差では、男性よりも女性の方が不眠症になりやすいと言われています。これは、女性ホルモンでエストロゲンが増加する事で、セロトニンが減少する事が理由とされています。

年齢

不眠症は、高齢者ほど発生すると言われています。

心的な要因

精神的なストレス

実は、ストレスは、不眠症の1番多く見られる原因です。仕事関係、友人関係などの人間関係や失恋など多くがストレスに繋がる場合あります。

睡眠に対するこだわり

神経質な人におこりやすいのですが、「〇時に起きなきゃ」、「〇時間眠らないといけない」などを考えたりする事で逆に寝られなくなったりするケースもあります。これは真面目な性格の人ほどストレスを感じやすいと言われています。「眠らなきゃいけない」と思って寝られないのもこの現象に入ります。

うつ病、総合失調症

うつ病などの精神疾患の方は、不眠症で悩む事が多く心療内科などから抗精神薬などとともに睡眠薬がを処方されるケースがあります。

生活習慣要因

アルコール

アルコール類は、寝る前に飲まれる人も多いと思いますが、眠りの質が悪くなるため、オススメできない

コーヒー、タバコの吸い過ぎ

コーヒーに含まれているカフェインやタバコに含まれているニコチンは興奮作用があるため寝る前には避ける必要があります。また刺激物なども避ける必要があるものです。

運動不足

運動不足は、不眠症の要因になります。

不眠症危険度チェック方法

不眠症は、一時的に眠れない状態である「不眠」が慢性化したものです。

不眠症として診断されるポイントとして、次の3つのうち1つ以上当て嵌まり、それが週3~4回が3ヶ月以上続いた場合に不眠症として診断されます。

  • 寝るまでに30分以上かかる・・・入眠障害
  • 一晩に2回以上起きてしまい、その後なかなか寝付けない・・・中途覚醒
  • 朝の目覚めが普段より2時間以上早く目覚めてしまいその後寝られない・・・早朝覚醒

不眠の状態を詳しく調べたい場合は、「アテネ不眠尺度」と呼ばれる世界共通の不眠症判定法や「ピッツバーグ睡眠質問表」など不安障害の不眠症チェック法などが使われます。

また、睡眠ダイヤリー(睡眠日記)をつけるのもオススメです。

睡眠ダイヤリーは、「どれくらい眠れているか」、「眠れていないのか」や「どんな時に眠れないのか」、「何をしたらよく眠れるのか」そんな内容を記録するもので、自分の睡眠状況を具体的に知る事ができます。

不眠症の改善方法

睡眠薬を処方してもらう

不眠症には、対策は様々ありますが、「眠れない」という辛さを解消するためには、医師の診断を受けて睡眠薬を処方してもらうのも解決方法のひとつです。

ただ、睡眠薬は使いすぎると耐性が出来て薬が効かなくなる場合があります。その場合服薬量を増加してしまい悪化してしまう問題もあります。そのため根本的な原因解決をオススメします。

必須アミノ酸トリプトファンを多く摂取する

トリプトファンは、必須アミノ酸のひとつである栄養素でトリプトファンを加除摂取する事で、不眠症の改善に繋がるとされています。またうつ病や不安症などの改善にも繋がるとされており1日300~600mg必要とされています。

トリプトファンは、多い食品としてたらこ、ひまわりの種、プロセスチーズ、納豆、肉類、アーモンドなどに比較的多く含まれており、たらこやすじこであれば100g前後で1日に必要分が摂取できます。納豆ですと3~4パック、アーモンドですと150gと取りにくい栄養素でもあります。またビタミンB6と一緒に取ると良いとされている栄養素です。

適度な運動をする

適度な運動をする事で、適度な疲労感によって、入眠しやすい身体にする事が出来ます

睡眠スケジュール法

睡眠スケジュール法は、睡眠ダイアリーを記録する事から始まります。睡眠ダイヤリーをつけていると実際に寝ている時間が判るようになります。

不眠症の患者は、寝られないと思って早く布団に入ろうとしますが、眠くなるまで布団に入らないようにする事で、布団で寝られない時間を減らす事で睡眠効率を上げる事で、布団に入れば眠れるという印象づけをする事で不眠症を解決する方法です。

筋弛緩法

筋弛緩法は、15分ほどの簡単な運動をする事で、無意識のうちに身体に力が入ってしまう、緊張による不眠症について改善する事が出来る方法です。

時計を隠す

中途覚醒タイプの場合、夜中に起きる度に時計を気にしてしまう場合が多いとされています。「また起きちゃった」「まだこんな時間」と中途覚醒を意識づれする事は、症状を悪化させる事があります。

そんな悪い癖をさせていただきます。無くすために時計を隠す方法も良いと言われています。寝室はもちろんですが、夜中にトイレに行って時計が目に入らないようにする事が大事です。

割り切る・あきらめる

個人差はありますが、「夜中に起きるのはしょうが無い」とあきらめるのもひとつの考えです。高齢者に多い中途覚醒ですが、気にしすぎる事で、さらに睡眠を質を悪化させてしまうので、気にしない事で、いつのまにか自然な眠りを待つのもひとつの手です。

うたた寝をしない

早高齢者などに多い症状で、午前4時など早い時間に目覚めてしまいますが、入眠が遅く実際の就寝時間が短い現象です。しかし、夕方に眠くなってうたた寝をしたりする事で、就寝が出来なくなってしまう場合もあり、夕方にうたた寝をするのを我慢するのも対策のひとつです。

寝る前にお風呂に入る

38℃程度のぬるめのお湯にゆっくりとつかり(20~30分程度は必要)深部体温を上昇させる事で、副交感神経が働き寝る準備が出来ます。(熱いお湯の場合血圧の急上昇と急降下が発生するため危険です。お風呂でいつの間にか寝ていると思っているのは、血圧低下による気絶の可能性もあります。)

風呂上がりにお水やお茶で水分補給をして、1~2時間経過後にゆっくりと寝られるでしょう。

寝る前にスマホをいじらない

パソコンやスマホの画面を寝る前に見る人がいますが、強い光は、交感神経を刺激してしまい、入眠に必要な副交感神経の働きを鈍くしてしまいます。そのため、寝る前は、明るい液晶の表示を見ないようにしましょう。

照明は寝るために必要なものにする

明るくなければ寝られない、暗くなければ寝られないと好みは人それぞれでしょうが、生理学的には、豆電球程度の明かりが人にとっては熟睡しやすい照明のようです。

明るすぎると瞳孔が閉じて緊張状態になる事で、交感神経が働き熟睡が出来ないと言われています。また一方で暗闇になると瞳孔が開き過ぎて、光を感じすぎてしまうとの事で、豆電球程度の明かりの中で寝るのがちょうど良いとされています。そのため間接照明なども良いかと思います。

好きな音楽をかけてリラックスさせる

好きな音楽をかけてリラックスした状態で入眠するのも手です。多少個人差はありますが、クラシック音楽などが良いとされています。

また、バイノーラル・ビートという異なる周波数の音を左右の耳から聞くことでリラックス効果が得られるというものがYouTubeでアップされており、500万回以上も再生されている音楽です。

ストレスなど神経の高ぶりによって寝付けない場合に聞く事で、眠りに入りやすくなると言われているものです。

アロマなどを活用してリラックスさせる

入眠を促すアロマオイルとしては、ゼラニウムイランイランリツエアクべバプチグレインネロリフランキンセンスサンダルウッドベルガモットオレンジスイートラベンダーなどがあり、1番入眠効果が高いとされるのがラベンダーと言われています

起床時に太陽を浴びる

不眠症では、入眠時間や睡眠時間のバランスが取れていない場合、体内時計が狂っている可能性があります。その場合起床時に太陽の光を浴びる事で、時刻がリセットされ、日中の眠けの防止に繋がります。

背骨の歪みによる神経伝達疾患を治す

病院などで原因が特定出来ないものの80~90%は、神経圧迫が原因とされています。神経圧迫の多くは背骨の歪みが原因とされ、歪みによって、脳から各臓器への指令が伝わらない事で各臓器の機能不全になります。そのため背骨の歪みを取る事で、疾患が改善します。

そのため背骨の歪みを取り除く事で、成人病循環障害呼吸系疾患慢性疲労神経衰弱便秘膀胱炎尿失禁腰痛筋肉痛ストレス不安感不眠症胃潰瘍吐き気、飲み過ぎ、胃酸過多、下痢、心臓病、動脈硬化、高血圧、心不全、肺疾患、免疫力低下、鼻炎、蓄膿症、炎症、風邪、疲労感、腸炎、過敏性大腸症候群、消化障害、集中力低下、学習障害、うつ(鬱)病、睡眠障害、物忘れ、内臓気力損傷、肝機能弱化、胸がすっきりしない、肥満、糖尿病、腹部肥満、肝脂肪、心血管障害などの疾患の治療が可能と言われています。

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不眠症からおこる病気や疾患

不眠症は、慢性化する事でその他の疾患に繋がる場合があります。何年も不眠で悩んで放置せずに医師の診断を受ける必要があります。

不眠症から発生する疾患は次のようなものがあります。

うつ病

精神疾患は、不眠症を併発するケースが非常に多いとされています。特にうつ病は不眠によって悪化する事があるため非常に注意が必要なものです。早めの医師の診断が必要となる問題です。

免疫機能の低下

「睡眠時間が7時間を切る人は8時間以上眠る人に比べて3倍以上も風邪を引きやすい」これは、2009年に米国カーネギーメロン大学の研究発表によると、睡眠時には成長ホルモンが分泌されており、細胞修復のためには睡眠時間が必要になるのです。

また適度な睡眠時間を持つ事で、免疫力が高まる事で病気への抵抗力が高くなり風邪などになりにくくなります。

脳機能の低下

不眠症によって深い眠りにならないことで、脳が休めない事で、集中力、記憶力、判断力、注意力が低下すると言われています。また睡眠不足によって異常行動に繋がる場合があります。

肥満

不眠症になると肥満になりやすい傾向があります。実は睡眠中にはレプチンと呼ばれるホルモンが増大しますが、このレプチンは、交感神経に作用してエネルギーの代謝増大を促すホルモンです。

そのため不眠症の影響でレプチンが減少する事で、エネルギーが消費出来ない事で、肥満に繋がる事があります。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症の原因としてアミロイドβという物質があります。アミロイドβは、日中に脳内に蓄積し続ける成分で、睡眠時にこのアミロイドβが排出され減少するのですが、睡眠が短い事で、アミロイドβの排出が足りずに残留してしまう事で、アルツハイマー型認知症に繋がる事があります。

まとめ

不眠症は、高齢者やストレスを感じやすい人に多く発生する疾患の一種です。慢性化する事で、認知症などの合併症へのリスクが高くなる事から、早めの診察が必要ですが、病院では睡眠薬などによる治療が一般的です。しかし薬は長期化や耐性が発生するため、それ以外の方法で改善を検討する必要があります。

参考資料

 不眠症とは

不眠症? 眠れないときにチェックしたい7つのポイント

不 眠 症(一般社団法人日本臨床内科医会)

4つに分類される不眠の症状

放置すると深刻な影響も 睡眠障害