溶解水 水は、様々なものを溶かす事が出来ます。
通常溶解するための液を溶媒といいます。 そして、溶解した後の液体を溶液として使い分けます。
つまり、 溶媒の水に 砂糖を混ぜると 砂糖液という 溶液が出来るのです。
水素水等の 水素が混ざっているため、水素水溶液が正しい言い方です。
溶解
溶解(ようかい、英: dissolution)とは溶質と呼びあらわされる固体、液体または気体が溶媒(液体)中に分散して均一系を形成する現象。
その生成する液体の均一系は溶液と呼ばれる。溶解する場合の分散は単一分子であったり、分子の会合体であったりする。あるいは金属工学などでは金属の融解(英: melting)を溶解と呼ぶこともある。
概要
固体の溶解は固体表面で生じる平衡現象であるため、固体を分割あるいは粉砕して表面積を増大させると溶解する速度が増大する。また、溶液粘度が大きくなるにつれ溶解する速度は低減し、固体表面付近とそれ以外の場所での濃度の不均衡が生じることが多い。その場合は攪拌により溶液系の濃度を均衡化させることでも溶解する速度が増大する。希薄溶液においては溶液系の温度が高いほうが溶解する速度は早い。しかし硝酸アンモニウムの様に高温では溶解度が減ずる物質もあるので、飽和濃度に近い高濃度では一概に温度が高いほうが溶解する速度は早いとは限らない。
化学反応
溶解に際して溶質は化学変化を起こさない場合もあるが、溶質と溶媒とが化学反応を起こしながら溶解する場合もある。例えば二酸化硫黄が水へ溶解する場合、極く一部は亜硫酸へ化学変化しながら溶解する。
実際の例を次に示す。最初はショ糖(スクロース)の結晶である氷砂糖を水の中にいれた場合であるが、スクロース同士は分子間力により結合している。氷砂糖を水に投入すると、結晶表面では溶解プロセスが開始される。溶解は可逆過程であり、表面の分子は結晶から遊離したりまた結晶に戻ったりしている。
溶解度
物質が溶媒に最大限溶解する割合を溶解度と呼び、通常は重量濃度を使ってあらわす。あるいは濃度と同義に溶解度の語を使う場合があり、溶解が平衡状態に達したときの溶解度を飽和溶解度と呼ぶこともある。
ある物質に対して溶解度の大きい溶媒を良溶媒(りょうようばい、英: good solvent)と呼び、小さい場合を貧溶媒(ひんようばい、英: poor solvent)と呼ぶ。
温度特性
飽和溶解度とその温度特性は個々の物質に特有であり、温度上昇によって溶解度の増すもの減じるものさまざまで、また温度特性の変化の度合いもさまざまである。また、溶解により溶媒系の沸点は上昇し、凝固点は降下する。
物理学的見地
物理化学的に見ると、溶解自体は吸熱的に結晶の分子間力を切断し、系のエントロピーは増大させるプロセスである。実際の溶解に関する熱的収支は、溶解自体のほかにも溶質分子への溶媒和などの寄与が存在する為、溶解熱は発熱的であったり吸熱的であったりする。例えば、硫酸と水を混ぜると、溶媒和(水和)により膨大な熱が発生する。
水に関していえば、水は水素結合により緩やかに束縛し合い、クラスターを形成して安定化している。したがって、溶媒和の寄与がないと、溶質分子によるクラスター解消はエネルギー的に不利となる。溶媒和は静電的相互作用、イオン結合、水素結合、配位などの分子間力により発生し、溶媒和の効果により極性溶媒に対して極性物質が溶解しやすい。一方、無極性物質は、溶媒クラスターへの関与が少ないが故、無極性物質が溶解しやすい。言い換えるならば、一般的な傾向として溶媒和の寄与が大きいものほど溶解しやすい。
水溶液
水溶液(すいようえき、aqueous solution)とは、物質が水(H2O)に溶解した液体のこと。つまり、溶媒が水である溶液。水分子は極性分子なので、水溶液の溶質となる物質はイオン結晶もしくは極性分子性物質となる。
溶解の仕組み
溶解は熱力学的な平衡反応であり、物質の溶解過程と結晶化過程とは常に同時に進行している。つまり平衡がどちらに偏るかは結晶化エネルギーと水和エネルギーの差による。
イオン結晶の溶解
イオン結晶は明確な電荷が存在する為、結晶エネルギーは大きな値を取る。それはイオン結晶の融点が高いという性質にも表れている。イオンに対する水和の度合と水和エネルギーはイオンの種類や電荷量によりそれぞれ異なり、正・負両イオンそれぞれの水和エネルギーの和となる。
例えば塩化銀の融点は455℃、塩化ナトリウムは801℃であり融解エネルギーの点からは塩化銀の方が結晶からイオン対が遊離しやすい。しかし、これは塩化銀の方が共有結合性の寄与が強くなるためである。 電解質の溶解度は、主に結晶格子のイオン結合の強度の指標である格子エネルギーと、溶媒中におけるイオンの安定化の指標である溶媒和エネルギーに支配され、その他分子間力などの寄与も加わる。例えば塩化ナトリウムおよび塩化銀の水に対する溶解に関する熱力学的諸量は以下のようになり、塩化銀は水にほとんど溶けないのに対して塩化ナトリウムの方はよく水に溶ける。
- MX(s) → M(g) + X(g) (格子エネルギー)
- M(g) + X(g) → M(aq) + X(aq) (水和)
- MX(s) + X(g) → M(aq) + X(aq) (溶解)
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物質 格子エネルギー 水和エンタルピー変化 溶解エンタルピー変化 溶解エントロピー変化 溶解ギブス自由エネルギー変化 塩化ナトリウム 787.4 kJ mol−1 −783.5 kJ mol−1 3.9 kJ mol−1 43.4 J mol−1K−1 −9.0 kJ mol−1 塩化銀 915.7 kJ mol−1 −850.2 kJ mol−1 65.5 kJ mol−1 33.0 J mol−1K−1 55.7 kJ mol−1 極性分子結晶の溶解
分子結晶の結晶エネルギーは分子間力のうち、ファンデルワールス力、双極子相互作用および水素結合に起因する。これらの結晶の結合力はイオン結晶に比べると格段に弱いものの、分子量が増大するほど結晶エネルギーは(すなわち融点も)大きくなる。極性分子結晶のうち分子量の小さいもの、あるいは多数の水素結合を有するものは水に溶けやすい。分子量の小さいものは水和する表面が相対的に広い場合に水に溶解する。酢酸エチルはアセトンよりも極性の絶対値は大きいが分子量が大きく水和しない領域が大である。そのため水和の寄与がほとんどなく、水に溶解しない。糖などある程度の分子量以上では、極性分子結晶は水素結合の存在が多い場合に水に溶解する。
酸・塩基の溶解
プロトン酸、塩基は水中では容易に水素結合を形成するので水溶性が大きい。水中で電離したイオンはさらに水和しやすいので酸・塩基は相対的に水に対する溶解性が大きい。
主な水溶液
溶解
よう‐かい【溶解】
[名](スル)溶けること。また、溶かすこと。特に、気体・液体・固体が他の液体あるいは固体と混合して均一な状態となる現象。ふつうは、各種物質が液体に溶けて溶液となることをいう。「食塩は水に―する」
「善も悪も、美も醜も、笑いも涙も、すべての物を―して」
よう‐かい【溶解/×熔解/×鎔解】
[名](スル)金属に火熱を加えてとかすこと。金属が火熱でとけること。「鉄を―する」
参考資料
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